BROTHER BRIDGE × KAMIYA


01| BROTHER BRIDGE × KAMIYA

東京の東側エリア、俗に“下町”と称される上野・入谷・浅草付近は古くからもの作りの街として認知されている。

そんな入谷に本店、ファクトリーを浅草に構えるBROTHER BRIDGE(ブラザーブリッジ)は、近年国産シューズ・ブーツの製造・販売で高い評価を得るブランドだ。

ブランドスタート時よりヴィンテージに根差したもの作りをする中で、来るべき時がくれば、とブーツ作成を思案するものの、本格的に着手をする契機となったのはKAMIYAの手がけるパンツの存在だった。ボリュームのある独特のバランスで高い人気を博す一方で、現在よりボリューム感のある足元構築をするためにもブーツの存在は一層必要不可欠なものへとなっていった。

いざ理想のブーツを作成するに際し、神谷が20代前半に愛用していた1足のブーツの存在を思い出した。それがトゥにボリュームのあるモンキーブーツだった。この特徴的なフォルムのモンキーブーツを“今”に表現するなら、とあらゆる生産先をリサーチする中、冒頭のBROTHER BRIDGEが手がけるHENRYの存在が、神谷のイメージに限りなく近いことを知る。そこで先方代表である鈴木氏に早速コンタクトをとり、なぜ今アスレチックブーツなのかを熱心に伝えたところ、是非協業での開発をしましょう、と快諾頂けることに。

こうして理想のブーツ作りが無事キックオフされるに至った。



BROTHER BRIDGEは入谷・浅草エリアにある2箇所のファクトリーをフル稼働させ、もの作りを行う。
(画像上)モデル別にストックされている裁断されたレザー。一目でどのモデルの部材かが分かる。
(画像下)吊り込み直前のアッパー。仮紐が通されており、木型(ラスト)も未だ入った状態なのが分かる。

02|CRAFTSMANSHIP

ブーツの完成品は見たことも、履いたこともある人は非常に多い。しかしながら、どういった工程を経て完成するのかは知らない、という方は意外に多いのでは? 正直、工程一つ一つにこだわることで最終的なクオリティに圧倒的な差が生まれる。では、BROTHER BRIDGEのもの作りは他社と比べ何が違うのか、の一部を紹介する。

デザイン画を3D化し、パターンを作成。KAMIYAのモデルの様に特徴のあるトゥのフォルムを形成するのは、このパターンを参照しオリジナルの木型が作れるか否かが最大のポイント。吊り込み、ステッチワーク、ウェルト付け、底付け、コバ処理、などブーツを作るために必要な基本的な工程はすべて熟練の職人が、自身の手の感覚とマシンを駆使しながら、裁断された革の状態を見極めつつ流れる様に仕上げていく。

すべての工程において、職人一人一人が自身の手の感覚とヴィンテージのマシンを駆使し丁寧に仕上げていくため機械的な大量生産はできない。ゆえに生まれるヴィンテージブーツらしい表情やシルエットと、信じられない程快適な履き心地の良さを両立している。



(画像上)パーツ毎に異なる形状のレザーが必要となる。マシンではなく人の手で1点ずつ均等に仕上げている。
(画像下)大量にストックされている原皮。すべてのブーツはいずれもこの状態からスタートする。

03|GOODYEAR WELT

BROTHER BRIDGEで採用しているのは、グッドイヤーウェルテッド製法。19世紀後半、アメリカのチャールズ・グッドイヤー・ジュニア氏により確立された伝統的靴製法。中底に貼りつけられたテープ状のリブと呼ばれる部分にアッパー、インナー、ウェルトを機械で縫いつける。アッパーがアウトソールに直接縫いつけられていないため、ソールが磨り減った場合、オールソールをすれば、長期間履き続けることができる。


アッパーの余り革を内側に織り込み、ウェルトと縫い込みを行える様に処理をする。片足ずつ、職人が手作業で行うため、1日に仕上がる数には当然ながら限りがある。


 マシンにブーツを固定して、トゥの形を仕上げる作業。KAMIYAのブーツの場合、この部分にボリュームを持たせているため、アールの加減・サイズバランスなどを慎重に形成していく。


中底にミシンを走らせる作業工程。ウェルト付け、アウトソール付けに繋がる重要な工程の一つ。運針数やピッチ幅からは大量生産品にはない、職人ならではの味合いを感じる。


アウトソールを縫い付けるために必要なマシンがRapid E。このヴィンテージミシンが稼働しないと、求めるブーツは仕上がらない。因みに、他工程で使用しているマシンもすべて年代物のヴィンテージ品ばかり。


すべての工程を経て完成したブーツ。ピュアでアナログなもの作りゆえ、数えきれないほどのトライ・アンド・エラー、よきせぬアクシデントを乗り越えての完成品であることを付け加えておきたい。

04|DESIGN

当初より神谷本人が希望していたのはトゥにボリュームを持たせたアスレチックブーツだった。BROTHER BRIDGEを代表する“HENRY”をベースに、自身の履いてきたブーツのシルエットやニュアンスを今回作成するモデルに落とし込む手法を採用した。

黒・茶・加工の3種のラインナップには、それぞれアッパーに仕掛けがある。黒のモデルは、アッパーに茶芯のカーフレザーを採用。履きこむほどに下地の茶色が露出するのが特徴。茶のモデルは、アッパーが柔らかな質感のラフアウトを使用しているので、履き始めより足馴染みの良さがある。そして、加工のモデルはKAMIYAの真骨頂。茶芯のカーフレザーに擦れ・ダメージでエイジング加工を施すことでヴィンテージな表情を構築した。

どのモデルを選択しても、履きこむほどに愛着が湧き、自分だけのブーツに仕上げることができる。

最初の半年〜1年は毎日の様に履きこむことをオススメしたい。